【ライター望月の駅弁膝栗毛】
平成の日本列島は、自然災害が相次ぎました。
平成30年も西日本豪雨で各地の鉄道は寸断され、岐阜から高山を経由、富山を結ぶJR高山本線も一部区間で4か月あまりにわたって運休を強いられました。
この区間も昨年11月21日に復旧を果たし、名古屋~富山間を運行する特急「ひだ」号も
運転再開されて、富山~高山間の観光ルートの形成に貢献しています。
高山本線の運転再開が11月中に間に合ったことで、胸をなでおろした観光関係者の方も多かったのではないでしょうか。
そう、冬は「北陸のかに」が一番美味しい「カニのシーズン」!
富山駅弁「源」にも、昨年10月26日から新作「かにすし」(750円)が登場しました。
1日50食、富山駅コンコース売店・新高岡駅・金沢百番街店限定販売の駅弁です。
(源)
http://www.minamoto.co.jp/
大きなカニの絵が描かれた包装を外し、「ますのすし」同様に竹とオリジナルのゴムで留められた木箱のふたを開けると、笹の葉の下から酢の香りと共にいっぱいのカニの身が!
しかもこのカニ、富山の新しいブランド「高志(こし)の紅ガニ」と称されるベニズワイガニで魚津の漁師さんから直送された“きときとな(新鮮な)”カニなのです。
地元のブランドものを使って「750円」という価格、食べやすい大きさなのも嬉しい限り!
「源」によると、昨年(2018年)の創業110周年にあたって、改めて富山の食文化である「押寿し」として日本一を極めたいという方針に社を挙げて取り組むことにしたのだそう。
その第1弾として、今回の「高志の紅ガニ」を使った「かにすし」が開発されたといいます。
「高志の紅ガニ」というブランドは越の国と漁師さんの高い志に由来するネーミング。
じつはこの「かにすし」にも、源の高い志がカニの身と共にギュッと詰まっているのです。
朝の高山本線の普通列車は、キハ120形気動車を3両繋いでも、運転席脇のスペースまでギュッと“押寿し”のようになってしまう混雑ぶり。
ローカル線でも今は短い編成の列車が多いこともあって、地方都市でも通学時間帯は、かなり激しいラッシュになってしまう列車も多いようです。
果たして、この中からどんな“高い志”を持った若い世代が飛び出してくるでしょうか?
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/