小田原駅「東華軒130周年記念 金目DE鯛めし」(1,200円)~「箱根駅弁」の思い出!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

小田原駅「東華軒130周年記念 金目DE鯛めし」(1,200円)~「箱根駅弁」の思い出!

185系電車・特急「踊り子」、東海道本線・根府川~早川間

この正月も、95回目を迎えた箱根駅伝は大きく盛り上がりました。
2010年代前半、私・望月は、東海道線を使って往路の追っかけを毎年やっていました。
1区・大手町、2区・保土ヶ谷、3区・藤沢、4区・大磯、5区・箱根湯本(山登り)&元箱根(山下り)の6カ所で観戦し、箱根町まで歩いて、現地だけで配られる号外をもらいます。
そのまま湯河原温泉へ抜け、ひとっ風呂浴びて、「踊り子」などで東京に戻って来ます。

小田原駅「東華軒130周年記念 金目DE鯛めし」(1,200円)~「箱根駅弁」の思い出!

芦ノ湖で“箱根駅弁”(2012年撮影)

ただ、駅弁好きとしては観戦だけではつまらないので、駅伝1区間ごとに1駅弁購入。
箱根駅伝の区割りと、昔からの駅弁屋さんの販売エリアは、ほぼ重なっているんです。
1区・NRE、2区・崎陽軒、3区・大船軒、4区・東華軒、5区・後藤商事(はこね弁当)の駅弁を1つずつ5個集めて、選手に続いてゴール、芦ノ湖畔でパチリとやる訳です。
5区間・できるだけ選手を応援し、その区間の駅弁を買う、題して“箱根駅弁”!

小田原駅「東華軒130周年記念 金目DE鯛めし」(1,200円)~「箱根駅弁」の思い出!

箱根登山鉄道・モハ2形、箱根登山鉄道・強羅駅(2012年撮影)

ただ、近年は駅伝人気の高まりで小田原駅での入場規制やダイヤ改正、さらにレースの高速化も相まって、5区(山登り)の観戦が厳しくなりました。
今年のレースをテレビで観る限り、従来乗り継いでいた小田原12:07発の箱根湯本行の列車が小田原中継所前の風祭駅に入線するのと、1位の選手がほぼ同着。
安全な移動を考えれば、“箱根駅弁”は「思い出」にせざるを得ないのかなと感じます。

小田原駅「東華軒130周年記念 金目DE鯛めし」(1,200円)~「箱根駅弁」の思い出!

東華軒130周年記念 金目DE鯛めし

箱根駅伝は「95回」の歴史がありますが、小田原駅弁は「130年」の歴史を誇ります。
小田原駅で駅弁を手掛ける「東華軒」は、明治21(1888)年7月1日の創業で、去年(2018年)、創業130周年を迎えました。
これを記念して、昨秋の「駅弁味の陣2018」に合わせ、「東華軒130周年記念 金目DE鯛めし」(1,200円)が登場しています。

小田原駅「東華軒130周年記念 金目DE鯛めし」(1,200円)~「箱根駅弁」の思い出!

東華軒・国府津駅前売店

明治時代の東海道本線は、小田原の市街地を通ることなく国府津から御殿場回り(現在の御殿場線)で、沼津へと抜けるルートでした。
国府津は小田原・箱根方面への乗り換え客でにぎわい、駅弁も発展して行きました。
原点とも言うべき国府津駅では、昭和56(1981)年頃まで立売りが行われていたそうで、いまも改札前には「東華軒」の売店があって、店内には懐かしい写真が掲示されています。

小田原駅「東華軒130周年記念 金目DE鯛めし」(1,200円)~「箱根駅弁」の思い出!

東華軒130周年記念 金目DE鯛めし

【おしながき】
・茶飯
・金目鯛西京焼き
・金目鯛おぼろ
・金目鯛有馬煮
・じゃこ天
・玉子焼き
・蒲鉾
・竹輪
・ゆず大根漬
・小梅漬

小田原駅「東華軒130周年記念 金目DE鯛めし」(1,200円)~「箱根駅弁」の思い出!

東華軒130周年記念 金目DE鯛めし

東華軒の「鯛めし」は、明治40(1907)年の販売開始というロングセラー駅弁。
これをベースに、東華軒や駅弁の“めでたい”ことに合わせ、鯛に金目鯛を使ってしばしば登場しているのが「金目DE鯛めし」です。
今回、金目鯛は西京焼き、有馬煮、おぼろの3つの味を楽しめます。
特におぼろは、伝統の手もみで作られているのだそうです。

小田原駅「東華軒130周年記念 金目DE鯛めし」(1,200円)~「箱根駅弁」の思い出!

E231系電車・快速「アクティー」、東海道本線・根府川~早川間

金目鯛の味わい同様に、いろんな景色を楽しめるのが箱根・伊豆エリア。
箱根の山の上のほうは雪景色でも、小田原~熱海間の海沿いでは梅や桜の花が咲いて、ひと足早く、春の気分を味わえることもあります。
年末年始の混雑期間が終わって、これからがゆったり冬の旅を楽しめる時期。
のんびり箱根・伊豆の温泉に浸かりながら、冬の寒さを癒してみてはいかがでしょうか。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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