【ライター望月の駅弁膝栗毛】
3月16日に予定されている“平成最後の”ダイヤ改正。
この改正で中央本線の特急列車は新型のE353系電車に統一され、愛称は「あずさ」「かいじ」、そして全車指定席の列車に統一されることが発表されています。
これに伴って、平成13(2001)年から18年あまりにわたって活躍してきたE257系電車は、中央東線の運用から外れ、八ヶ岳のふもとを走る風景も希少なものとなりそうです。
そんな八ヶ岳のふもとの駅弁屋さん・小淵沢駅の「丸政」も、京王百貨店新宿店の「第54回・元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」に出店しています。
今回のメインは、「平成最後の甲州かつサンド」(1,200円)。
現地では30分前までの予約制で、揚げたて・サクサクをいただくことが出来る「甲州かつサンド」ですが、“平成最後”と銘打ったかつサンドとはどんなモノでしょうか?
「丸政」によると、今回は平成最後の京王の駅弁大会ということで、ちょっと“遊び心”ある駅弁を作ってみたそうで、確かにパッケージはカジュアルな雰囲気。
昭和の終わりの“自粛ムード”では考えられなかった、“平成最後の”というフレーズと共に、時代の移り変わりが感じられる、意義あるパッケージになっています。
駅弁は掛け紙や包装を含めて、やっぱり“一期一会”なんです。
ブースをのぞかせてもらうと、かなり大きなカツがたっぷりソースに漬けられています。
丸政の「甲州かつサンド」(豚)は、薄い肉を重ね、いわゆる“ミルフィーユ状”にして揚げた
かつサンドで知られていますが、平成最後、もしかしてガッツリ…ということですか?
これは想像以上のガッツリ!!
平成30年分の厚みのごとく、ソースがしみ込んだカツと玉子が溢れんばかりです。
それでいてパンもふんわり、肉もちゃんとやわらかい仕上がり。
「丸政」によれば、このかつサンド、従来と比べ、パンにもこだわったのだそう。
普通の駅弁と同じくらい、しっかりとお腹が満たされる1,200円も納得のかつサンドです。
平成の終わりと共に中央東線を去って、新たなステージへと進むE257系電車。
「あずさ・かいじ」号の旅の思い出を思い浮かべながらかつサンドを目いっぱい頬張って、ジュワっとしみ出す肉のうま味と共に、感慨にふけるのもまた楽しいひと時。
「丸政」のブースでは、通常の「甲州かつサンド」(豚・鶏)なども販売しています。
かつサンドを楽しんだら、E257系電車で甲信の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/