【ライター望月の駅弁膝栗毛】
東海道本線の豊橋と中央本線の辰野を結ぶ「飯田線」。
「青春18きっぷ」のシーズンとなるこの時期、全線を走破される方もいることでしょう。
全長およそ195kmの飯田線には、全部で94駅あり、通しで乗車すると6時間以上。
でも、車窓には天竜川や中央アルプスの山並みが広がり、鉄道好きなら飽きません。
私自身も中学生の頃、春休みに当時運行されていたトロッコ列車を利用しながら「青春18きっぷ」で乗車した記憶が甦ります。
私が中学生の頃は、現在の上諏訪9:22発・豊橋行に当たる列車などで、駒ケ根を拠点にしていた「伊那谷駅弁」の車内販売があり、車内で駅弁を購入していただきました。
いまは特急を含めて車内販売がありませんので、下りでは豊橋で駅弁購入が必須です。
せっかく買い求めるなら、豊橋の名物・ちくわと、豊川の名物・稲荷寿しがコラボした「壺屋弁当部」の「ちくわ稲荷寿し」(680円)が面白そうです。
(参考)2004年5月の「ライター望月の駅弁膝栗毛」
ページの下のほうで、かつての「伊那谷駅弁」を取り上げています。
【おしながき】
・稲荷寿し
・ちくわ梅稲荷寿し
・大葉の稲荷寿し
・うずらの燻製玉子稲荷寿し
・かんぴょう巻き
・紅しょうが
コチラ、壺屋弁当部と豊橋名産「ヤマサちくわ」とのコラボレーション駅弁。
普通の稲荷寿しはもちろん、ちくわに梅肉を入れたり、大葉とチーズちくわを組みわせたり、さらにはうずらの燻製玉子まで入って、バラエティに富んだ稲荷寿しが楽しめます。
じつは大葉もうずらの卵も、豊橋が全国トップクラスの生産地なんだそう。
その意味では豊橋の稲荷寿しのなかでも、特にご当地性の高い駅弁と言えそうです。
「ヤマサちくわ」のTVコマーシャルは、私が高校生まで過ごした静岡でも流れていました。
東海道中膝栗毛の弥次さん・喜多さんが、0系新幹線から飛び出して来るもので、いまでは公式HPに動画がアップされています。
新幹線開業以前は、豊橋駅で立ち売りも行っていたという「ヤマサちくわ」。
豊橋の駅弁とちくわ、ホームに響いていたであろう売り子さんの声を思い浮かべながら、東海道の歴史に思いを馳せて、ぜひいただきたい逸品です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/