【ライター望月の駅弁膝栗毛】
東海道新幹線の三島と、中伊豆・修善寺を結ぶ伊豆箱根鉄道駿豆線。
昨年・2018年で開業120周年、修善寺全通から今年で95年の歴史ある路線です。
三島~修善寺間の所要時間は、普通列車でおよそ35分。
現在はオリジナルの3000系電車や、かつて西武線で活躍していた車両などが3両編成・ワンマン運転で、終日にわたり15~20分間隔で運行されています。
始発駅・三島でも販売されている「桃中軒」の駅弁のなかで、駿豆線沿線ゆかりのものと言えば「さとやまのさち」(880円)。
この駅弁には“黒米弁当”のサブタイトルが付けられており、ご飯には修善寺の農家の方が育てた黒米を使用しているのが特徴です。
包装にも修善寺温泉の地図と、竹林の小径をイメージさせる竹の絵が描かれています。
【おしながき】
・ 黒米ご飯
・ カレイの照焼
・ ひじき煮
・ 玉子焼き
・ 切干大根
・ 蓮根金平
・ 里芋の田楽
・ 煮物(筍、人参、椎茸、昆布、こんにゃく)
・ しば漬
・ はじかみ
・ わさび漬
修善寺の温泉街の街並みのように、落ち着いた雰囲気が感じられる大人の駅弁。
黒米のご飯をメインに、カレイの照り焼きが入っている他は、野菜や煮物を中心としたおかずで少量ずつ、幕の内風に構成されています。
三島駅でこれから訪ねる修善寺に思いを馳せていただくもよし、修善寺温泉の帰りに三島駅で旅の余韻に浸りながらいただくにもいい駅弁かもしれません。
伊豆箱根鉄道駿豆線には、東京からの特急「踊り子」号も乗り入れます。
平日は2往復、週末は3~4往復の列車が運行され、三島~修善寺間は実質的に特急料金不要の快速列車として運行されるのも特徴です。
いよいよ春本番、修善寺ゆかりの駅弁と共に伊豆箱根鉄道の鉄道旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/