【ライター望月の駅弁膝栗毛】
大阪~金沢・和倉温泉間を結ぶ特急「サンダーバード」。
元々、大阪からの北陸特急は「雷鳥」でしたが、JRになってから速達タイプの「スーパー雷鳥」が登場し、681系電車を投入した際「スーパー雷鳥(サンダーバード)」に…。
平成9(1997)年からはシンプルに、特急「サンダーバード」となりました。
この春から1往復増発され、1日25往復の列車が、関西と北陸を結んでいます。
(参考)JR西日本ホームページ
越前、越中、新幹線開業までは越後まで、高志(越)の国を貫いていた北陸本線。
車窓には、広大な水田地帯が広がります。
そんな田んぼに、間もなく植えられていくお米の多くは、「コシヒカリ」。
線路沿いの農協施設にも、大きく「石川のコシヒカリ」の文字が躍っていて、北陸本線を走る特急の乗客に向けて、しっかり地元産のお米がPRされています。
一方、全国各地でコシヒカリとは別に高付加価値のブランド米が登場しています。
石川県ではおよそ9年をかけて、新しい品種「ひゃくまん穀」を開発。
平成29(2017)年10月にデビューを飾りました。
この新ブランド米・ひゃくまん穀を使った新しい駅弁「蟹百万石」(1,350円)が、加賀温泉駅を拠点に駅弁を製造・販売する「高野商店」から登場しています。
【おしながき】
・酢飯(石川県産・ひゃくまん穀)
・ベニズワイガニ
・ズワイガニ
・香箱蟹(ズワイガニメス)
・生姜酢漬
「ひゃくまん穀」は、米ひと粒ひと粒が大きく、炊き上がりはさらにふっくらするのが特長。
「冷めても美味しい」特長もあり、まさに駅弁向きのお米と言えるかもしれません。
お米の甘味、酢の酸味、そして、ベニズワイガニ、ズワイガニ、香箱蟹という日本海が誇る3つのカニのうま味を1度に味わうことができる「蟹百万石」。
金沢駅の駅弁売店にも多く並んで、石川県の新ブランド米のPRにも一役買っています。
東京方面からは、北陸新幹線「かがやき」「はくたか」と金沢で接続して加賀温泉、福井方面への足となっている特急「サンダーバード」。
例えば東京から京都へ出かけたとき、北陸回りで帰れば「東京都区内⇒東京都区内」という“一筆書ききっぷ”にすることで単純往復の料金と大差なく、金沢での途中下車もOK。
少し時間に余裕を作れば、意外な楽しみ方もできる北陸の旅です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/