【ライター望月の駅弁膝栗毛】
北鎌倉の駅を出て、円覚寺を横目に、鎌倉・逗子方面を目指す横須賀線の電車。
円覚寺は弘安5(1282)年、元寇の戦死者を慰霊するために開かれた鎌倉五山の第二位、臨済宗円覚寺派大本山のお寺で、舎利殿は国宝に指定されています。
横須賀線は円覚寺の境内を通っていることもあり、北鎌倉駅の発着時には、車窓の両側にお寺の境内が広がる、珍しい車窓を楽しめます。
(参考)鎌倉市ホームページ
歴史を紐解けば、日本と中国の間には、平和だった時代もあれば、そうではなかった時代もありますが、文化面では同じ漢字文化圏であり、食文化でも大きな影響を受けています。
チャーシュー・焼豚も、中国由来で日本に伝わり、独自の進化を遂げた食材。
大船を拠点に駅弁を手掛ける「大船軒」では、今年(2019年)7月21日から、新作の駅弁、「炙りチャーシュー弁当」(1100円)を登場させました。
【おしながき】
・白飯 錦糸玉子 いりごま
・炙りチャーシュー
・味付け玉子
・ほうれん草ナムル
・大根のキムチ風
・ゼンマイの煮物
豚肉のチャーシューが炙られたことで香ばしさが増し、食欲をそそってくれます。
おかずは味付け玉子にナムル、キムチ、ゼンマイと焼肉風の構成。
その意味でも、東アジアの食文化が1つの折にギュッと詰まった駅弁とも言えそうです。
「大船軒」によると、夏場の健康対策として、“スタミナ料理”と位置づけ、「炙りチャーシュー弁当」は7月の発売となったということです。
大船は、京浜東北線と直通する「根岸線」の始発駅。
大船~大宮間を直通する列車も、数多く運行されています。
ちなみに、途中の石川町駅は、「横浜中華街」の最寄り駅。
まずは駅弁から、中華由来の味を楽しむのもよさそう。
間もなく立冬、駅弁で冬を乗り切る元気をチャージしてみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/