広島駅のあなごめし……選ぶなら「赤と白」どっち?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

炙り煮あなごめし

画像を見る(全7枚) 炙り煮あなごめし

「赤と白」、日本ではさまざまな場面で使われる2つの色です。国旗・日の丸に源氏と平氏、学校の運動会、年末の歌合戦……など、枚挙にいとまがありません。いま、広島駅の駅弁売場では、「赤と白」のパッケージが施された2種類のあなごめしが販売されています。この2つのあなごめし、どんな違いがあるのでしょうか?

227系電車・普通列車、呉線・忠海~安芸幸崎間

227系電車・普通列車、呉線・忠海~安芸幸崎間

広島随一の絶景路線・呉線。とくに瀬戸内海に沿って走る区間は、季節を変えて、のんびりと乗りたいものです。呉線の普通列車も、平成27(2015)年デビューの新型車両での運行。「Red Wing(レッドウィング)」の愛称は、先頭車両に取り付けられた赤い転落防止ホロが翼を広げたように見えることも命名の理由となりました。広島の列車もすっかり、「赤」がシンボルカラーとなりましたね。

炙り煮あなごめし

炙り煮あなごめし

今回、広島駅弁当の売場で、「赤い」パッケージのあなごめしを手に取りました。その名も「炙り煮あなごめし」(1500円)。広島駅弁当によると、この駅弁は従来、白いパッケージの「炙りあなごめし」として販売されていました。ただ、併売している焼きあなごを盛り付けた「活あなごめし」とパッケージが似ていて違いがわかりにくかったため、若干リニューアルを行い、今年(2023年)、赤いパッケージの「炙り煮あなごめし」として発売したと言います。

炙り煮あなごめし

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【おしながき】
・味付けご飯
・炙り煮あなご
・広島菜漬け

炙り煮あなごめし

炙り煮あなごめし

「炙り煮あなごめし」のふたを開けると、優しい色あいの煮穴子に、焦げ目がついていて、食欲をそそります。お好みでたれをかけていただけば、煮あなごならではのふんわりとした食感のなかに、ほんの少しだけ焦げ目の苦みが感じられるのが嬉しいですね。なるほど、炙りを入れることで、煮あなごのよさを引き出した格好でしょうか。なお、香の物は、しそと塩の2種類の広島菜漬けが添えられていて、いいアクセントになってくれます。

活あなごめし

活あなごめし

なお、焼きあなごの「活あなごめし」は、従来通り白いパッケージで販売されており、広島駅弁当の売店では、レジに“煮あなごの「赤」、焼あなごの「白」”と打ち出した特別な案内を掲げていました。列車の発車まで時間があれば、「赤と白、どっちにしよう?」と迷うのも、広島で駅弁を買うときの楽しみの1つになるかも知れません。何かと、正解を求めたくなる昨今ですが、駅弁選びに正解はありません。あなたが選んだものが「正解」なのです。

227系電車・快速「安芸路ライナー」、呉線・矢野~海田市間

227系電車・快速「安芸路ライナー」、呉線・矢野~海田市間

今週末はG7広島サミットが開催されます。広島県内の道路は時間帯により、交通規制が敷かれる見込みで、マイカー、バスや路面電車も規制の対象となります。このため広島県内の高速道路や広島市中心部の一般道路での車両利用は、可能な限り控えるようにお知らせが出ています。なお、鉄道の運行に影響はありませんが、全国的に駅のゴミ箱やコインロッカーの封鎖が行われますので、お出かけの方はご注意ください。

(参考)広島県警ホームページ、JR各社ホームページ

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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