G7広島サミットをきっかけに誕生、広島の幸も「駅弁」に集結!
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「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
世界主要国の首脳が広島に集まるG7広島サミット。この開催を契機に誕生した広島の駅弁は、広島県内からさまざまな味覚が集まった、食材の“サミット”と言っていい新作です。日本がホスト国となるサミットが、洞爺湖、伊勢志摩といった地方都市で開催されるようになってから、札幌・松阪など、会場最寄りの駅弁屋さんでは、メモリアルな駅弁が作られてきました。今回の“サミット駅弁”は、広島の駅弁屋さんの気合が感じられる逸品です。
きょう(2023年5月19日)から明後日(5月21日)まで、G7広島サミットが行われます。これに先立って4月、長野県の軽井沢で開催された外相会合では、各国の外務大臣が、東京~軽井沢間を北陸新幹線のグランクラスで移動する様子が報道されました。今回、広島空港や岩国から広島入りする首脳が多いとみられ、広島空港と広島市街地を結ぶリムジンバスは、22日まで全便が運休中。なお、山陽新幹線は平常運行の予定です。
初めて広島で開催される主要国首脳会議ということもあり、広島平和記念公園や宮島を各国首脳が訪れる予定があるとされています。このため、平和記念公園と園内施設は、サミット終了まで立ち入り制限されており、施設も休館となっています。果たして、各国の首脳はどのような気持ちで、この景色を眺めるのでしょうか。なお、20日までは同じように宮島も観光客の入島が制限されています。
このG7広島サミットの開催50日前にあたる、今年(2023年)3月30日に、広島駅弁当から新作駅弁「広島よりどり弁当」(1380円)が発売されました。パッケージには広島城、厳島神社の鳥居、広島電鉄の路面電車と共に、牡蠣や穴子、たこなどの食材が描かれ、広島らしさを世界に発信すべくアピール。そして何より、「G7 HIROSHIMA SUMMIT 2023」のロゴが入って、歴史的な価値もある駅弁となっています。
【おしながき】
・広島和牛のそぼろ飯
・もぶり寿司
・たこ飯
・あなご飯
・広島熟成どりの照り焼き
・牡蠣フライ
・小いわし南蛮漬け
・神石こんにゃく煮
・平安堂梅坪の柿羊羹
広島和牛のそぼろご飯、もぶり寿司、三原ゆかりのたこ飯、宮島ゆかりのあなご飯と4つのご飯が楽しめる「広島よりどり弁当」。おかずも広島熟成どりの照り焼き、神石高原町名産の神石こんにゃく煮など、安芸・備後の味覚が広く集められています。広島駅弁当によると、「バランス良く、非常に美味しい」といった意見が多いとのこと。サミット終了後も、パッケージにあるサミットのロゴを外した上で、販売が継続されるということです。
最高時速300kmで走り抜ける新幹線に、高頻度で運行される広島シティネットワークの普通・快速列車、さらには街の真ん中を走る路面電車に新交通システム、さらに郊外は国鉄生まれのディーゼルカーが走るローカル線もあり、高速バス・路線バスなど陸上交通、水上交通も充実していて、交通機関も“よりどりみどり”な広島市。サミットで注目が集まる今年、落ち着いたところで、美味しいものを味わいながら、じっくりと訪れたいものです。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/