「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
いま、茨城県で行われている観光キャンペーンに合わせて、水戸駅では「常陸牛のすき焼きと常陸の輝きの生姜焼き辨當」という新しい駅弁が発売されました。すき焼きと生姜焼き、何とも食欲をそそるネーミングであります。ご当地ブランド・常陸牛は、茨城の肉屋さんをのぞくと、重厚な木の看板が掲げられたりしていますが、一方の「常陸の輝き」は、どんな豚肉なのか、実際に駅弁を味わってみることにしました。
10月1日~12月末までの予定で行われている「茨城デスティネーションキャンペーン」。JRグループと地元自治体による観光キャンペーンです。これに合わせて、常磐線特急の一部車両に、平成27(2015)年まで運行されていた「フレッシュひたち」のリバイバル塗装が施されています。9月末、「袋田の滝と紅葉」をイメージした橙の編成が登場したことで、かつての5色(緑・紅・黄・青・橙)全てが揃い、常磐線特急の彩りが華やかになりました。
デスティネーションキャンペーンの開催地域では、記念の新作駅弁が登場するのが常。今回は、水戸を拠点に駅弁を製造するしまだフーズから、「常陸牛のすき焼きと常陸の輝きの生姜焼き辨當」(1380円)が発売されました。茨城県は、全国有数の農業県として、畜産も盛ん。とくに生姜焼きに使われている「常陸の輝き」は、平成30(2018)年12月に販売が開始された茨城県が、いまイチオシの新しいブランド豚だそうです。
【おしながき】
・白飯(茨城県産米)
・常陸牛のすき焼き(常陸牛、しらたき、椎茸、人参)
・常陸の輝きの生姜焼き
・れんこん煮
・山菜醤油漬け
・さつまいもの甘露煮
牛のすき焼きと豚の生姜焼きが一緒に味わえることで、思わずいただきたくなる駅弁です。牛肉は水戸駅弁「牛べん」でおなじみの常陸牛、豚肉は常陸の輝きという新銘柄を使用。常陸の輝きはいわゆる“三元豚”で、専用の飼料でじっくり育てられ“サシが入った”旨味のある、香りのいい肉質を実現したそう。生姜焼きは、冷めても美味しい仕上がりです。新ブランドが今後、どのように成長していくのか? まずは自らの舌で味わいたいものです。
(参考:茨城県ホームページ)
常磐線では普通列車の車両も1編成が、国鉄時代の「赤電」ラッピングが行われており、いまの時代の車両ですが、どこか懐かしい雰囲気を感じさせます。グリーン車を連結した10両編成とグリーン車のない5両編成がそれぞれ1編成ですので、出逢えるかどうかは運次第。5色の常磐線特急を含めて、品川まで乗り入れがあり、東京都心でもお目にかかることができそう。この秋は、カラフルな列車に揺られて茨城へ出かけたいものです。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/