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115系3000番台(2014年撮影)
広島周辺には新型の227系電車が入ってきましたが、岩国以西ではまだまだ活躍する国鉄形。
中でも、この地域らしい車両といえば、115系電車の3000番台です。
全国各地で見られた115系電車ですが、その多くは3ドアでボックスシートタイプ。
しかし、昭和57(1982)年デビューの3000番台は、2ドアで転換クロスシートを装備した車両です。
227系電車が登場するまで広島周辺では、この車両が最新タイプでした。
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115系3000番台(2014年撮影)
現在は黄色単色となっている115系3000番台ですが、少し前までは広島色の編成もありました。
車庫が下関にあるため、岡山~下関間をロングランする列車が多く運行されていた時期は、この車両に当たることも多く、鈍行旅としては快適なひと時を過ごしたものです。
ちなみに今も、在来線の実質的な最長距離鈍行列車は、山陽本線・糸崎~下関間を走る列車。
糸崎17:46発、終点・下関には23:50着で、300km弱を6時間あまりかけて走破します。
全国各地・国鉄形車両はどんどん淘汰されていますが、まだまだ頑張ってくれそうな気がする瀬戸内の黄色い115系電車です。
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活あなごめし
この広島~下関間、駅弁好きには少しつらい所で、広島・宮島口をのぞいて、山口県内も駅弁屋さんが無く、次は関門トンネルをくぐった先の小倉・北九州駅弁当が新たな駅弁屋さん。
山口の名駅弁も「広島駅弁当」がレシピを受け継いで、広島で調製が行われているんです。
今回は、そんな「広島駅弁当」の駅弁の中から「活あなごめし」(1,300円)をご紹介。
広島駅弁当のちょっと高級なブランド、「あじろや」名義で出されています。
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活あなごめし
ふたを開けると、香ばしい匂い。
「広島駅弁当」の穴子駅弁は従来、煮穴子だったのですが、この駅弁では「焼穴子」になりました。
経木の折詰に白いご飯を詰めて、その上にしっかり焦げ目が付いた焼穴子が8枚載ります。
付け合わせには、奈良漬とガリ。
オーソドックスでシンプルな穴子駅弁です。
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活あなごめし
「広島駅弁当」自家製のたれで焼き上げたという穴子。
お好みで付添のたれをさらにかけていただくことも出来ます。
実は「あじろや」ブランドの駅弁は、広島駅構内に厨房があって、ココで作られています。
つまり、広島駅で買っていけば、限りなく「出来立て」に近い味を味わえるという訳。
せっかく広島へ来たけど、本場・宮島方面へ足を伸ばす時間はちょっと厳しい・・・という時に重宝する駅弁です。
(取材・文:望月崇史)
連載情報
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ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/