新富士駅「助六ずし」(540円)~見て・乗って・下りて楽しむ身延線の桜

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

373系 特急 ふじかわ 身延線 塩之沢駅

373系・特急「ふじかわ」、身延線・塩之沢駅

春の鉄道旅の楽しみはやっぱり桜! ということで、今回は身延線の桜をご紹介!
身延線は東海道本線の富士と中央本線の甲府を結ぶ88kmあまりのローカル線です。
373系電車の特急「ふじかわ」は、ほぼ2時間おきに運行されています。
中心駅・身延(みのぶ)の1駅隣にある「塩之沢(しおのさわ)駅」は、桜の名所として知られており、夜にはライトアップも行われています。

373系 特急 ふじかわ 身延線 甲斐上野駅

373系・特急「ふじかわ」、身延線・甲斐上野駅

身延線の甲府口では、山梨県市川三郷町の甲斐上野駅も桜のある駅。
上り(富士方面行)側の土手が桜並木となっています。
特急「ふじかわ」は通過しますが、列車のすれ違いが出来る駅ということもあり、桜をバックにゆっくりと走ってくれるのが、嬉しいものです。
ちなみに「かいうえの」、駅名の母音が「あいうえお」順に並んだ珍しい駅でもあります。

車窓 富士川 桜

車窓からの富士川と桜

身延線で車窓の桜を楽しめるのは、山梨県南部町の内船(うつぶな)駅周辺。
険しい南アルプスの前衛の山々の山すそ、富士川の土手に植えられた桜の木々が、見ごろには美しい桜色の帯となります。
十島~甲斐大島間は、線路沿いに植えられた桜の木も多く、国道52号が通る富士川の対岸から、身延線の列車が走る風景も楽しめそうです。

潤井川 龍厳淵 桜

潤井川・龍厳淵の桜

身延線の列車を下りて楽しみたいのは、静岡県富士市の「龍厳淵(りゅうがんぶち)」。
富士・富士宮からそれぞれ3駅・入山瀬(いりやませ)駅から歩いて10分ほどの所に、富士山と桜、菜の花、川の流れを一緒に撮影できるポイントがあり、海外から訪れる人も急増中。
身延線・富士~西富士宮間は毎時2~3本の運行があり、交通系ICカード(TOICAエリア)も使える区間なので、気軽に途中下車して絶景を楽しめます。
ただ、富士山がよく見えるかどうかは、その日のお天気次第・・・。(この日はうっすら)

助六ずし

助六ずし

こんな桜を愛でると、やっぱり懐かしい雰囲気の駅弁をいただきたくなるもの。
今回は、「助六ずし」(540円)を手に取ってみました。
東海道新幹線・新富士駅がメインの売り場となる「富陽軒」の駅弁ですが、身延線の始発駅・富士にも置いてあり、改札脇の「ベルマート」や身延線ホームのそば店で購入可能です。
なお、確実な入手には、3日前までの予約(0545-61-2835)がお薦めです。

助六ずし

助六ずし

助六ずし

助六ずし

助六といえば、歌舞伎の「助六由縁江戸桜」にちなんだ「揚げ」と「巻き」が入った寿司。
「富陽軒」では、いなり4個、かんぴょう巻き4個、太巻1個の構成です。
もちろん、いなり寿しは「富陽軒」定番の酢飯に昆布を混ぜ込んだオリジナルの逸品。
富士駅の富陽軒売店には、昔から「助六・・・○○○円」と書かれた札が下がっていたなぁという小さい頃の記憶が甦ります。
昔はどの駅の駅弁屋さんにも当たり前のようにあった駅弁かと思いますが、今も変わらず販売しているのは、日本の食文化を伝えていく意味でも、とても有難いことだと思います。

313系 電車 身延線 塩之沢駅

313系電車、身延線・塩之沢駅

特急はもちろんリクライニングシートですが、身延線の普通列車もワンマン列車を中心にボックスシートのある列車が多く、駅弁を食べやすい路線です。
春の日差しを浴びて、桜が満開の無人駅でのんびりと過ごすのもまた贅沢なひと時。
身延線は今年(2018年)3月30日で、全通90周年の節目を迎えました。
次回、そのスペシャルな列車に密着しましたのでご紹介しましょう!

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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