青森駅「帆立釜めし」(1,000円)~発売50年のロングセラー駅弁と共に津軽線・キハ48で目指す階段国道の旅

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

キハ48形 気動車 津軽線 三厩 津軽浜名

キハ48形気動車、津軽線・三厩~津軽浜名間

津軽海峡をバックに走る2両編成のキハ48形気動車は、JR津軽線の列車。
津軽線は、青森から津軽半島を陸奥湾に沿って北上、竜飛崎の手前・三厩(みんまや)までの55kmあまりを結ぶローカル線です。
途中の中小国までは昭和63(1988)年に交流電化されましたが、中小国以北は今も非電化。
蟹田~三厩間は、短編成のディーゼルカーが、たまに行ったり来たりしています。

津軽線 津軽二股駅 北海道新幹線 奥津軽いまべつ駅

津軽線・津軽二股駅、北海道新幹線・奥津軽いまべつ駅

津軽線の青森~中小国間は、平成28(2016)年3月まで、青函トンネルを挟んだ「津軽海峡線」の一部として、特急「スーパー白鳥・白鳥」や寝台特急なども行き交う路線でした。
北海道新幹線が開業した今は、貨物列車は走りますが、すっかり元のローカル線の佇まい。
津軽線は津軽二股駅で、北海道新幹線・奥津軽いまべつ駅と隣接しており、青春18きっぷのシーズンなどは、この駅で列車を乗り継ぐこととなります。

キハ48形 気動車 津軽線 三厩駅

キハ48形気動車、津軽線・三厩駅

津軽二股から、津軽線の終着駅・三厩までは15分ほど。
昼過ぎに到着した列車からはパラパラとお客さんが下車し、終着駅らしい哀愁が漂います。
この区間(蟹田~三厩間)を走る列車は、1日わずか5往復。
ただ、奥津軽いまべつ停車の新幹線とは今別町の巡回バス(三厩行・200円)が連絡しており、列車とバスを組み合わせて巡ると、時間的なロスを若干抑えられるかもしれません。

外ヶ浜町営バス

外ヶ浜町営バス

せっかく三厩まで足を運んだからには、歌にも唄われた竜飛崎を目指したいところ。
三厩駅前からは、列車を待ち受けて、竜飛方面行の外ヶ浜町営バスが発車します。
バスのボディにラッピングされているのは、竜飛崎近くにある「青函トンネル記念館」。
例年、4月下旬から11月上旬まで通常開館しており、「体験坑道」では、斜度14度の斜坑を
およそ9分で下る体験ツアーが行われています。

国道339号 階段国道 入口

国道339号・階段国道入口

合わせて体験したいのが、竜飛名物「階段国道」でしょうか。
昔からこのルートが青森県道として指定されており、1970年代、国道339号に昇格。
昭和から平成にかけて整備され、全長388.2m、高低差およそ70m、362段となりました。
今や全国唯一の「階段国道」として、この地域の立派な観光資源となっています。
訪れた日は冬季で、竜飛漁港周辺が火事に見舞われた影響もあって通行止でしたが、4月下旬から閉鎖が解除され、一部迂回する形で通れるようになりました。
階段を下りた先に竜飛漁港のバス停があるので、実はバスのほうが階段を上らなくていい分、楽チンに回れるかも!?

帆立釜めし

帆立釜めし

津軽線のキハ48形に似合いそうな駅弁といえば、やっぱり「帆立釜めし」(1,000円)。
東北本線が全線電化した昭和43(1968)年発売開始といいますから、今年でちょうど50周年を迎えた青森を代表するロングセラー駅弁の1つです。
当初は陶器製の釜だったものの、今では持ち運びの観点からプラスチックの釜となりました。
私が2000年代初め、早朝の特急「はつかり」に乗る時、真冬の青森駅ホームで買い求めた際には、既にプラスチックの釜となっていました。
現在は「ウェルネス伯養軒」の青森支店が製造しています。

帆立釜めし

帆立釜めし

【お品書き】
・茶飯
・帆立煮
・錦糸卵
・味付山くらげ
・姫竹煮
・魚卵醤油煮

帆立釜めし

帆立釜めし

スリープ式の包装を外し、プラスチック製の釜を開けると、帆立がゴロゴロっと載っています。
帆立は小さめですが、数が多い分、ご飯と一緒に、味わいが長く楽しめるのがいいところ。
伯養軒青森支店によると、昔は大ぶりのものを使っていましたが、時代が下るにつれ、「帆立をたくさん食べたい」というニーズが高まり、1つの釜に9~10個という形になったそう。
もちろん、地元・陸奥湾産の帆立を使用しているとのこと。
貝は小さくても、地元の名物を味わえる楽しい気持ちは長持ち・・・ロングセラー駅弁には、そんな食べる人へのささやかな心遣いが、しっかりと隠れているんです!

キハ48形 気動車 津軽線 三厩 津軽浜名

キハ48形気動車、津軽線・三厩~津軽浜名間

国鉄時代に作られたキハ40系列の気動車も、毎年、次々と姿を消しています。
東日本エリアでは、津軽線をはじめ、東北地方の一部の路線に残るだけとなりました。
懐かしい国鉄形のボックスシートに身を委ねながら、国鉄時代からの駅弁をいただくことが出来るのも、もうしばらくの間だけの貴重な体験になってしまうかも・・・。
北海道新幹線の旅と合わせて、津軽線の旅もお忘れなく。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/


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