【ライター望月の駅弁膝栗毛】
北海道から海面下240mの海底を潜り抜けてきたE5系新幹線「はやぶさ」。
「青函隧道」の扁額(本州側)は、青函トンネルの貫通式で官邸から発破のスイッチを押した、当時の中曽根康弘総理大臣による揮毫です。
最速320km/hを誇るE5・H5系「はやぶさ」も、青函トンネルを挟んだ区間は、最高でも140km/hに抑えられるため、在来線特急と同じ感覚で撮影することが出来ます。
新幹線の最高時速が140kmに抑えられるのは、貨物列車が共用しているため。
青函トンネル専用として新たに作られたJR貨物EH800形電気機関車が走るレールを見ると、三線軌条の狭軌のレールを走っているのが分かります。
本州の人が北海道の新鮮食材を安価で食べられたり、北海道の皆さんが東京で刊行された書籍を読むことが出来るのも、この青函トンネルを走る貨物列車のお陰。
実は貨物列車こそ私たちの暮らしに密着しており、青函トンネルのもう1つの主役なのです。
さて、青森へ足を運ぶと、青森駅近くの古川市場で、新鮮な魚介類を温かいご飯の上に載せていただく「のっけ丼」を楽しむ方も多いハズ。
でも、なかなかその時間が取れないときに重宝しそうなのが、新青森駅の駅弁「青森海鮮ちらし寿司」(950円)です。
平成22(2010)年の東北新幹線全線開業時に駅弁に参入した、青森では有名な菓子パン・イギリストーストを作る「工藤パン」のグループ会社、「幸福の寿し本舗」が製造しています。
【お品書き】
・酢飯
・ほたて照焼
・酢漬け鮭
・酢漬けホッキ貝
・酢漬け鯛
・酢漬け鯖
・甘酢生姜
・おぼろ
・錦糸卵
・山椒の葉
ホタテ、ホッキ、鮭など、北の海鮮がたっぷり載ったちらし寿司。
保存性が求められる駅弁らしく、酢の効いた少し懐かしい味わいです。
今回は3月下旬に新青森駅にて購入したものをいただきましたが、「幸福の寿し本舗」によりますと、4月21日発売分の各種駅弁から使用する米を「青天の霹靂」に変更したそう。
「青天の霹靂」は、ここ4年にわたって食味ランキングで、最高ランクの「特A」を獲得し続けている青森の新しいブランド米です。
米がバージョンアップし、いただいた時の幸福感も増したであろう「幸福の寿し本舗」の駅弁。
ゴールデンウィーク中、青函エリアへお出かけの方は、新しいお米の駅弁で、一層ハッピーな気分になってみてはいかがでしょうか?
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/