【ライター望月の駅弁膝栗毛】
奈良時代創建とも伝わる古刹・清見寺の境内を横切って走り抜ける特急「ふじかわ」号。
373系電車の特急「ふじかわ」は、静岡駅で東海道新幹線「ひかり」と接続、静岡~甲府間を全通90周年を迎えた身延線経由で1日7往復、ほぼ2時間おきに運行されています。
富士で進行方向が変わるため、静岡発車時はシートが逆向きに設定されているのも特徴。
このため、富士では2~4分程度の停車時間が設けられています。
そんな富士・新富士・富士宮などで駅弁などを手掛ける「富陽軒」も5/19・20に開催された「グランシップトレインフェスタ2018」に出店しました。
オレンジの幟でおなじみのご当地グルメ・富士宮やきそばを加熱式駅弁にした「駅弁版 極 富士宮やきそば弁当」をはじめ、富陽軒の各種駅弁が勢ぞろい!
その中で私が注目したのは・・・?
新作駅弁の「いろどりいなり」(650円)!
5/21(月)から東海道新幹線・新富士駅ホーム、平日限定で販売が始まった駅弁です。
今回のトレインフェスタでは「先行発売」という形で、新作駅弁がひと足早くお目見えしました。
こういった多くの人が集まる鉄道イベントで定番駅弁に加えて、少しプレミア感のある新しい取り組みを紹介いただけるのは、お金をかけて足を運んだ甲斐があるというものです。
【お品書き】
・落花生おこわいなり 紅生姜のせ
・お赤飯おこわいなり 栗甘露煮のせ
・桜海老と錦糸玉子いなり 昆布入酢飯
・牛肉煮いなり わさびご飯
・野菜旨煮
4つの味のバリエーションが楽しめるいなり寿し駅弁です。
レギュラーの「いなりずし」で使われている昆布入酢飯はもちろん、「竹取物語」でおなじみの落花生おこわ、「駅弁版 極 富士宮やきそば弁当」のわさび入りご飯と、富陽軒の名物駅弁の味を、自慢のいなりずしで味わえるようになりました。
富陽軒によりますと、以前から通常の駅弁より気軽につまめたり、数人でシェアできる駅弁や土産にもなるような駅弁が検討されていたそうで、今回の発売に至ったとのこと。
「身延線全通90周年記念弁当」で登場したおこわ系のいなりずしも好評だったことから、「いろどりいなり」にも自信を持って盛り込んでいるということです。
モチモチしたおこわの塩っ気と甘い揚げの組み合わせが、新鮮な食感なんですよね。
彩りもより華やかになって、程よい量で、心地よい新幹線の旅を演出してくれそうです。
新富士駅に停車する東海道新幹線は、各駅停車の「こだま」号のみですが、そのほとんどの列車が5分ほど停まります。
しかも「こだま」号には、今や希少な存在となりつつある700系新幹線の列車があります。
「こだま」はほぼ毎時2本ありますが、700系で運行されるのはわずか10往復程度。
700系「こだま」の駅弁旅が楽しめるのは、今のうちですよ!
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/