【ライター望月の駅弁膝栗毛】
北海道・札幌は、11月20日になってようやく、この冬の「初雪」を観測しました。
明治23(1890)年以来、128年ぶりの遅さだと伝えられています。
ちなみに、官営幌内鉄道として「札幌駅」が開業したのは、その10年前、明治13(1880)年11月28日のことで、昭和63(1988)年11月にいまの高架駅になりました。
札幌駅開業から138年の今年は、「高架化30周年」の節目の年でもあります。
一方、札幌の1つお隣・苗穂駅は、先日11月17日に新駅舎が開業しました。
新駅舎の開業に伴って、橋上タイプの駅舎となり、広い構内のため隔てられていた駅の南北が自由通路で結ばれました。
苗穂は、国鉄時代から機関区や苗穂工場が置かれてきた「鉄道のまち」。
新しい駅にも、これまでの歴史を継承していくデザインが採用されていると言います。
秋以降、札幌周辺では、札幌駅高架30周年と苗穂駅新駅舎開業に関連したイベントが行われており、札幌駅では「札幌駅高架30周年記念弁当」(1,200円)が1,500食限定で販売されています。
「札幌駅立売商会」が製造しているこの駅弁、特製の掛け紙にはJR札幌駅の社員の方による高架化前の4代目札幌駅舎と、現在の5代目札幌駅舎が描かれています。
(参考)JR北海道プレスリリース(平成30(2018)年10月11日)
【お品書き】
・かにといくらのちらし寿し 北海道型昆布添え(北海道産米使用)
・ジンギスカン唐揚げ
・チーズハンバーグ
・ししゃも春巻き
・牛すき焼き風煮
・海老フライ
・煮物(里芋、筍、人参ほか)
・小松菜おひたし とびこ
・一福団子
「札幌駅高架30周年記念弁当」には、もう1つのテーマがあります。
それは9月6日に発生した北海道胆振東部地震からの復興。
特に被害の大きかった厚真町ゆかりのジンギスカンの唐揚げ、安平町のチーズを使ったハンバーグ、鵡川町の名産・ししゃもを使った春巻きが入っているのが特徴です。
さらに、この駅弁の売り上げ金のうち100円が日本赤十字社を通じて、被災地の皆さんに寄付されることにもなっています。
まさにいただくことが、被災された皆さんを応援することに繋がる駅弁です。
昭和63(1988)年の札幌駅高架化に合わせて登場したのが、JR北海道の721系電車。
現在も新千歳空港アクセスを担う快速「エアポート」の一部や、札幌近郊の電化区間を走る普通列車として活躍中です。
ますます寒くなる冬、少しでもあったかい気持ちを被災された皆さんに届けたいもの。
札幌駅立売商会によりますと、「札幌駅高架30周年記念弁当」は、売れ行き好調のため、いまのところ12月上旬ごろには、予定数に達してしまう可能性があるとのこと。
お求めの方は、お早めに!
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/