【ライター望月の駅弁膝栗毛】
間もなく本格的な受験シーズン。
私も高校3年の頃、ときどき、静岡から東京の予備校に通うことがありました。
朝は講習に間に合うように新幹線ですが、帰りは特急料金の節約で3時間ほどかけて、113系の普通列車・東京発静岡行に、講義の同録テープを聴きながら乗っていました。
ただ、113系ってモーターの音が大きいので、所々聞き漏らして、聞き直す羽目に…。
いまや大きなモーター音を奏でる東海道線の電車も、185系「踊り子」くらいになりました。
昔、「駅弁大学」という戦後の新制大学を揶揄した大宅壮一さんの言葉がありましたが、その意は、国鉄の駅弁がある街には大学もある…そのくらい“数が多い”ということ。
しかし、いまではJRの駅弁販売駅は100を割り込んだ一方、国公立だけでも178大学もありますから、いまや大学より「駅弁」のほうが希少な存在と言えるのかもしれません。
とは言え、“入りたい大学”は、いつの時代も「狭き門」。
駅弁でゲンを担ぐならとんかつということで、今回は日本ばし大増が製造、NREが販売する「三元豚とんかつ弁当」(1,080円)をご紹介しましょう。
(参考)文部科学省ホームページ・平成30年5月1日現在
【おしながき】
・白飯(国産米・250g) 梅干 ごま
・とんかつ(カナダ産三元豚ロース肉)
・ベーコン入りポテトサラダ(マスタード風味)
・大根漬
去年(2018年)6月から、首都圏の駅で販売を開始した「三元豚とんかつ弁当」。
三元豚チルドポークを使ったとんかつがまるごと1枚入って、少しローカルな埼玉・本庄の高橋ソース製・とんかつソース&ねりからしをたっぷりかけていただきます。
ちなみにパン粉には、粗挽きの生パン粉を使用しているのだそう。
冷めても柔らかい、駅弁ならではのとんかつで元気をいただくことができそうです。
受験生のころ、東京~静岡間を普通列車で行き来した東海道本線も、上野東京ライン・湘南新宿ラインの直通サービスによって、様々な行先の列車が走るようになりました。
大学選びも列車選びに似たものがあり、大事なのは何をしたいか(何処へ行きたいか)ということなのだと思います。
例えば、目的地が大宮なら東京経由・新宿経由どちらも選択可能ですが、傍から見れば(遠くから見れば)どちらを回ったかは大して分からないし、気にする人も少ないもの。
ただ、目標に向かっていまできる最大の努力をした経験は、後々活きてくることがある筈。
空気が乾いて体調を崩しやすい時期、受験生の皆さんも美味しいものを食べて、悔いなく乗り切ってほしいものです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/