【ライター望月の駅弁膝栗毛】
冬の間は、しばしば雪が積もることも多かった箱根の山。
春の訪れと共に、湯本から山の上のほうに向かって徐々に桜の見ごろを迎えていきます。
そんな箱根の桜前線同様、ゆっくりと山を登って行くのが箱根登山鉄道の登山電車。
最新形からレトロな電車まで多彩な車両が、箱根湯本~強羅間を40分ほどで結びます。
今年(2019年)6月で、この登山電車の区間が開業して100周年の節目を迎えます。
(参考)箱根登山鉄道ホームページ
登山電車100年の節目に合わせて、小田原・箱根湯本をはじめとした各駅向けに駅弁を製造する「東華軒」が、箱根の名を冠した駅弁を2月8日から登場させました。
その名も「四季の幕の内 箱根の春」(1,180円)です。
小田原城が描かれ、箱根の玄関口・小田原らしさを感じさせる掛け紙。
春の食材を使って仕上げたという春の季節限定駅弁です。
【おしながき】
・茶飯 焼たけのこ 桜えび 錦糸玉子 ハスの酢漬け グリンピース
・箱根山麓豚塩だれ焼き 三色パプリカ添え
・わらび煮
・有頭海老塩茹で
・鰆のバターオイル焼き
・わかめのだし醤油和え 蛸添え
・山麓豚のしぐれ煮
・むき枝豆
・桜かつお大根
・黒饅頭 桜花漬け添え
ふたを開けると、桜えびと焼き筍が載った華やかなご飯が、春の訪れを感じさせます。
箱根山麓豚の塩だれ焼きにも、パプリカが載ることで彩りが添えられました。
春駅弁の定番・鰆のバターオイル焼きは、和のなかにパッと咲いた洋の花といった感じ。
デザートの黒饅頭は、名物・黒玉子にヒントを得たもので、箱根西麓で採れたさつま芋のいも餡が使われていて、“箱根らしさ”を一層盛り上げています。
「東華軒」によりますと、こちらの駅弁は、この春初めて登場させた新作とのこと。
「四季の幕の内 箱根の春」という名前から、今後、季節ごとの展開に期待が高まります。
小田原はもちろん東京駅などでも販売がありますので、特急「踊り子」号などに乗り込む際にもよきお供になってくれそう。
箱根の山と小田原の海を思い浮かべながら、春の鉄道旅はいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/