【ライター望月の駅弁膝栗毛】
春の昼下がり、東海道を下って行く185系電車の特急「踊り子」号。
美しい車窓が続く小田原~熱海間では、例年、春になると所々で桜が花を咲かせます。
国鉄生まれの185系電車は、昭和56(1981)年デビューの窓が開く特急用車両。
大きなモーターの音を耳にしながら、いまの時期は、レバーをつまんで窓を開け、外の風を感じて、伊豆方面を目指す旅を思い浮かべてみるのがいいかもしれません。
下りの「踊り子」号が湯河原を出ると、次の停車駅・熱海からは、静岡県に入ります。
一部の列車は、伊豆急下田行と修善寺行に分かれる熱海駅。
この熱海駅・小田原駅の駅弁を戦前から手掛けてきた「東華軒」が製造し、首都圏の各駅で期間限定販売されている駅弁が、「静岡いいところ弁当」(1180円)です。
「静岡デスティネーションキャンペーン・アフターキャンペーン」に合わせた駅弁です。
【おしながき】
・山海彩りごはん(茶飯、しらす、桜えび甘煮、金目鯛有馬煮)
・霊峰富士の切りだし蒲鉾
・静岡県産大地のハーブ鶏
・ひじきの煮物
・三島コロッケ
・みぶ菜とわさびの醤油漬けと賽の目筍煮(静岡県産)
・静岡わさび漬
・箱根大根のかつお風味の漬物
「静岡いいところ弁当」は、「2018年」「2019年」にも出されていますが、過去2年と比べて、今シーズンは、ご飯がうなぎご飯から、しらす&桜えび&金目鯛の茶飯にリニューアル。
富士山の絵が入った「蒲鉾」が、小田原の駅弁屋さんが作っている駅弁であることを、さりげなくアピールしていて、期間限定駅弁でも、毎年少しずつバージョンアップしています。
静岡県外から俯瞰的に見た「静岡の美味しいもの」がギュッと詰まったこの駅弁。
通勤で東京駅等を使う方は、出勤途中で昼食として駅弁を購入すれば、昼休みに外出するリスクを低減できて、プチ旅気分も味わえますよね!
春から特急「踊り子」号に加わったのが、E257系電車。
これまで中央本線の特急「あずさ」「かいじ」号として活躍してきた車両で、武田菱ゆかりのカラーリングから、伊豆の「空の色」と「海の色」をイメージした「ペニンシュラブルー」を基調としたカラーをまとった9両編成で運行されています。
湘南・伊豆方面の鉄道風景も、少しずつ変化の時を迎えています。
(参考)JR東日本横浜支社ニュースリリース、2019年11月28日分
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/