新青森駅「十和田バラ焼き重」(1,000円)~歴史あるJRバス「みずうみ」号で名湯・蔦温泉へ

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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E5系「はやぶさ」、東北新幹線・七戸十和田~新青森間

東北新幹線・七戸十和田駅を通過して、新青森方面を目指すE5系「はやぶさ」号。
盛岡以北は最高時速が260kmに抑えられており、ゆったり“流した走り”といった感じです。
新青森まで毎時1~2本が運行されている定期の「はやぶさ」号ですが、盛岡以北も停車駅の少ない列車と各駅停車タイプがほぼ交互に運行されています。
このため、七戸十和田に停まる列車は、日中2時間ほど空く時間帯もあります。

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JRバス「みずうみ」号、十和田北線・蔦温泉停留所

十和田湖、奥入瀬渓流、八甲田周辺を公共交通で巡る場合は、七戸十和田駅もいいですが、新青森・八戸からのJRバス「みずうみ」号、「おいらせ」号が使いやすいのが正直なところ。
特に青森駅~十和田湖間を走る「みずうみ」号は、戦前の鉄道省の時代から運行されている由緒ある路線で、国鉄バス時代は「新車」が最初に入る路線としても知られていました。
東北新幹線全線開業後は、「はやぶさカラー」のバスが主力として活躍しています。

(参考:「JRバス(旧新橋停車場 鉄道歴史展示室 資料)」)

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蔦温泉旅館とJRバス

十和田湖、奥入瀬渓流はもちろん、このエリアで外せないのが「蔦温泉旅館」!
久安3(1147)年には、既に湯治小屋があったことが文献として残る由緒ある温泉です。
明治の作家・大町桂月、フォークソング「旅の宿」ゆかりの一軒宿としても有名ですね。
今も使われている木造二階建ての本館が完成したのは、大正7(1918)年のこと。
豪雪地にありながら、実に100年にわたって、大事に使われてきているんですね。

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蔦温泉旅館「久安の湯」(画像提供:蔦温泉旅館)

私も10年以上通う蔦温泉の魅力は、何といってもお湯の素晴らしさ!
ブナの木を使った湯船の底板の隙間からぷくぷく~っと湧き上がる“源泉湧き流し”の温泉は47.3℃、成分総計1,460mg/kgのナトリウムー硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉(久安の湯)。
今回、私も大好きな「久安の湯」が、照明を抑えることで趣深くブラッシュアップされ、湯の香、木の香を感じながら、じんわりじんわりと一層、湯浴みを楽しめるようになっておりました!

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夏の蔦沼

日帰り入浴も出来ますが、出来れば蔦温泉旅館に泊まって、夏の夜はホタル観賞、早朝は蔦沼の散策に出かけたいもの。
風がない日の水鏡はブナ林が映えて最高ですが・・・この日はちょっと風が出てきてしまいました。
これからの紅葉のピークの時期、早朝の蔦沼は“燃える赤”で染まるといいます。
JRのポスターにもなった風景だけに、人生で一度は見るべき八甲田・奥入瀬の紅葉です。

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蔦温泉売店の看板犬「たいごろう」

蔦温泉を訪れたら逢っておきたいのが、蔦温泉売店の看板犬「たいごろう」(11歳)!
普段は、JRバスの青森駅方面行停留所の前にある蔦温泉売店で店番をしています。
いつ会っても悠然としていて、人懐っこい柴犬ですが、散歩に行くと分かった時のはしゃぎっぷりとのギャップが、ファン心をくすぐります。
蔦温泉訪問の折は、「たいごろう」へのご挨拶もお忘れなく!

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十和田バラ焼き重

蔦温泉や奥入瀬渓流のある十和田市のご当地グルメとして有名なのが「十和田バラ焼き」。
一般に「バラ焼き」とは、牛のバラ肉と大量のタマネギを醤油ベースの甘辛いタレで味をつけ、鉄板で焼く料理のことなんだそうです。
そんな十和田ゆかりの味が、新青森駅の駅弁を手掛ける「幸福の寿し本舗」によって、「十和田バラ焼き重」(1,000円)という駅弁になっています。

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十和田バラ焼き重

【お品書き】
・ご飯(青森県産「青天の霹靂」)
・十和田バラ焼き(牛肉と玉ねぎの醤油炒め)
・玉子焼
・わさび菜しょうゆ漬
・大根漬

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十和田バラ焼き重

昭和30(1955)年頃に誕生し、今では十和田市内およそ80軒のお店で食べられる「十和田バラ焼き」ですが、冷めても肉と玉ねぎの甘み、うま味が感じられるのは駅弁版ならでは。
「幸福の寿し本舗」によりますと、十和田バラ焼きのB-1制覇を受けて「十和田バラ焼きゼミナール」の皆さんの試食を繰り返しながら、駅弁化が行われたそう。
玉ねぎ7:肉3の比率や、玉ねぎのあめ色感など、随所にこだわりが入っています。

キハ40形気動車 奥羽本線 川部駅 蔦温泉旅館 久安の湯 十和田バラ焼き重 十和田 バラ焼き 青森 蔦温泉

キハ40形気動車、奥羽本線・川部駅

温泉旅をしていると、やっぱり食事はお宿の美味しいものがメイン。
駅弁という形で、ご当地の味に触れるチャンスがあるのは、とても有難いことです。
さあ、半月あまりにわたってお届けしてきた青森の駅弁&温泉旅。
青森の鉄道旅の〆に訪れたい駅近の日帰り温泉を訪ねます。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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