【ライター望月の駅弁膝栗毛】
“早起きは三文の徳”と言いますが、寒くてもエイッと、いつもより早くふとんを飛び出して駅へ行ってみると、普段は見られない列車に出逢うことがあります。
例えば、東海道本線唯一の定期夜行列車、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」。
この列車の横浜発は午前6時45分、終着・東京には7時08分。
早起きの東海道線ユーザーの皆さんには、きっとおなじみの列車でしょう。
じつは横浜には、“早起き族”の皆さんが手にすることができる駅弁があります。
それは、「崎陽軒」の「ハマの朝ごはん弁当」(640円)。
朝ごはんの欠食が社会的な問題となるなか、崎陽軒としてできることは何かと考えた結果、完成したのがこの駅弁で、神奈川エリアの一部のお店で、平日の午前限定販売されています。
朝のお腹にちょうどいい、小ぶりな幕の内風弁当です。
【おしながき】
・白飯(トッピング:昆布佃煮)
・鮭の塩焼き
・昔ながらのシウマイ
・豆腐真丈煮
・煮物(人参煮、椎茸煮、筍煮、金平蓮根煮)
・厚焼玉子
・菜の花しょう油漬け
朝らしく焼魚は鮭の塩焼き、健康にいいと云われる、豆腐・根菜・きのこを使ったおかずが脇を固め、崎陽軒ならではの「昔ながらのシウマイ」もしっかり入っています。
特筆すべきは、白いご飯のお供が「季節によって変わる」こと。(12~2月は昆布の佃煮)
軽めの駅弁ながら飽きの来ない、思わずリピートしたくなる作りからも、作り手の皆さんの「朝食をしっかり食べてほしい」という、食への熱い思いが伝わって来るように感じます。
東海道線の朝の列車と言えば、185系電車の「湘南ライナー」もあります。
横浜駅を通らず、貨物線経由で運行される列車も多いのが特徴。
早起きしていつもは見られない景色に出逢えたら、フレッシュな気持ちに…。
そして、朝限定の駅弁でしっかり朝食をとれば、元気な1日のスタートになります。
やっぱり「早起きは三文の徳」なのです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/